税法をもっと簡明に: 朝日新聞社 - 経済気象台

 税務調査に関するニュースではないのですが、重要な視点ですので取り上げます。
 国税当局は、税務調査を効果的に使うことにより国税OBを企業の顧問税理士として送り込んで(天下り先を確保し)、税制を複雑にすることにより国税庁や税務署及び国税OB税理士の存在理由を必要以上に高めようとしています。このような納税者のためにならない税務行政は歪んでいるとしか思えません。
 このような国民不在の行政が、国家財政の危機的状況に繋がるのではないでしょうか。

 今の法人税法は大変難しい。企業は大きな負担を強いられ、当局の税務調査にかける労力も膨大である。税務職員OBが多くの企業の顧問税理士になっている現実も看過できない。常識で判断できる簡明なものにすべきである。
(中略)
 理屈はあるだろうが、企業に負担を強いながらお役人が仕事場を確保するような仕組みは変えた方がいい。簡素化は企業の競争力強化に資するし、行政コスト圧縮にもつながる。
(中略)
 税制改革にあたっては、法人税率や消費税率のあり方にとどまらず議論すべき課題は多い。(啄木鳥)

「税務調査の注意点」の更新

 以下のページを更新しました。

「税務調査の注意点」の更新など

 以下のページを更新しました。「税務調査ノート」については、2010 年5月18日版のダウンロードを開始しました。

「強制調査ノート」の公開、「税務調査の注意点」の更新など

 不当な強制調査(査察)を抑止することを主目的に、「強制調査ノート」の公開を始めました。


 また、以下のページを更新しました。「税務調査ノート」については、2010年5月10日版のダウンロードを開始しました。

京セラ:法人税等約50億円の申告漏れ

 移転価格税制絡みで、京セラと国税局が争っています。日本以外の国家との関係があるので、京セラは、通常の異議申立てではなく、相互協議の申立てをするようです。
 
 相互協議の申立てについては以下のページの下の方で触れています。
 
納税者の権利にはどのようなものがありますか?
http://tax.ma-bank.com/faq.php?id=q2
 

シンガポールと香港にある子会社4社との電子部品の取引の際、子会社に不当に安く販売していた、と指摘。04年3月期からの5年間について、移転価格税制に基づく更正処分をしたという。
同社は二重課税防止のため、国税局に関係国と相互協議をするよう申し入れるという。

ビル管理会社:消費税と法人税約1.2億円脱税容疑

 人件費(給料や賞与、社会保険等)には消費税がかからないので、消費税申告においては仕入れ税額控除が取れません。その反面、外注費(下請けへの外注)は消費税がかかるので、消費税申告においては仕入れ税額控除が取れるので消費税額が圧縮されます。よって同じような経費でも、消費税が変わってきます。
 なお、今回の場合、「自社の社員を使っている」とのことなので、自社の社員に関する社会保険料(労使折半)についても支払っていないのかもしれません。消費税の圧縮額よりも大きくなるような気がしますが、税務調査ではなく社会保険庁による調査で取り扱うべきことっぽいので今回は関係ないのでしょうか。

ビル管理業務を受注し、社員を派遣する際、実際は自社の社員を使っているのに、関連会社3〜4社に外注して社員を派遣したように装い、外注費に消費税がかかったとして、2008年9月期までの3年間で計約7千万円の消費税を脱税したという。

 国税当局は近年、消費税の調査に力を入れ、07年度の告発件数は30件。半分ほどが世起と同様の手口だった。